多重夢

寝室のベッドで深夜に目覚める。真っ暗闇。立ち上がり手探りで照明のスイッチを押すが、明かりがつかない。「停電?」いや、カーテンの向こうの窓からはうっすらと外の光が漏れている。少し目が慣れてきたので、暗いままの部屋を歩きトイレに向かったところで現実と粒度が異なることに気がついた。「なんだ、これは夢か」ベッドに戻って目を瞑れば、ここから抜け出せることを知っている。

ベッドに戻る。

再び目覚める。今度は現実の夜のはず。しかしまた明かりがつかない。あるべきはずの場所に扉がない。どこにも出られない。「これも夢か」またベッドに戻る。

再び目覚める。

しかし、目覚めた先もまた同じ暗い寝室…。

結局、夢の中を何周したか分からなくなったところで、本当の朝が来て目を覚ましました。合わせ鏡のような不思議な夢でした。