限界集落は必要

各論で語るべきところを総論でやっつけようとするから、うまくいかない、という問題が多い気がします。緩衝材のプチプチを必死に踏んづけてもなかなか潰れないけれど、一つづつ指で潰していけば、それほど力も要らないし、いつかは片付くという道理です。

理屈は分かるんですが、なかなか実践できないんですよね。

前回の高千穂帰省の際に、九州になぜ鹿が増えているのか、という興味深い話を伺いました。狼や熊が絶滅したことが良く言われますが、捕食動物が居なくなった時期と増加の時期が一致しないのだそうです。個体が小さくなった、多産になった、雑食性を増しているとか、別の仮説を沢山お持ちでした。

タイトルに戻るのですが、酸素や水のみならず、海への栄養、木材の供給などなど、現在の科学レベルでは、文明の維持に森林が必要不可欠と認識して間違いないと思います。限界集落(過疎地域)で生活を営んでいる方々は、いわばこの森林と人間の生活圏の境界にいる人々なわけで、上述のような知見をごく自然に持っていらっしゃる訳です。

日本の森林をモニタリングし続ける前線基地と捉えると、その役割が明確になるような気がします。