天王洲とCognitive computing

東京ビックサイトで開催されている2015 Japan IT Week を見てきました。ソフトバンク副社長の宮内謙氏とIBM Senior Vice PresidentのMichael Rhodin氏が登壇する基調講演も聴講。サーバ仮想化からタブレット導入に至るまでの変革で運用コストを半分にしつつも事業規模を大幅に拡大した事例の紹介から始まり、IBMのWatsonを導入した次の「Cognitive Computing(認知するコンピュータ)」へと展開するビジョンも語られました。最適な機種や料金プランの提案、ならまだ可愛らしいですが、会社に採用すべき人材の選定、となるとなんだか少し怖さも感じます。

しかし、そういう未来が現実のものになりつつある様を、次のWatsonの講演で見せつけられます。医学系の論文だけでも、世界中で年に70万本以上も出ているそうで、どれほど優秀な研究者と言えども「広い視野」を持つには限界があります。それらをとてつもないスピードで解析・評価し、結論を導きだすことが出来るコンピュータが既に存在しています。単に「知っている」のではなく、「知る術を知っている」コンピュータがビジネスの世界に進出すれば、さらなる英才教育(優秀なエンジニアたちによる改良と学習素材提供)を得て、とんでもない成長を遂げる可能性は十分に感じます。基調講演の最後はこう締められていました。

What will you do with Watson?

今回、品川から歩いて天王洲まで出て、りんかい線に乗って会場に向かいました。ふと思いついて、あえて少し遠回りしたのですが、近い将来、Google Mapの経路探索機能も「今日は天気が良いし、最近あなたは運動不足だから、海沿いを歩いて行きませんか?」なんて提案をしてくるようになるのかもしれませんね。それを「コンピュータに支配される日が来る」と見る向きもあるようですが、景色の美しさや潮の香りを感じること、次は誰かと一緒に来よう、とか想像すること、Watsonが一緒に居たとしても、人間にもまだまだやるべきことが沢山残っています。

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