台風をかわすように1泊2日で東京へ。八重洲で開かれた商談会に参加して来ました。以下は冒頭の講演内容の要約です。
住宅を建築する際に「『明るい台所』が欲しい」と施主が要望してきたら、設計者の側は、家族やゲストとの会話が自然と出来るような形(例えば、対面型や島型)のキッチンを提案するのではないでしょうか。もちろん、照明や採光も大切なファクタではありますが、互いに完成形をイメージしながら最適解を導いていくプロセスをなんとなく期待できます。ところが、ITシステムとなった途端に、専門家に任せる…となりがちなケースが(残念ながら)とても多いのが現状です。施主からただ「明るい台所」とだけ言われて任されっきりになった現場では、レイアウトはさておき、LEDの明るさや消費電力ばかりが議論されることになります。下手をすると、全面ガラス張りのキッチンが出来上がったりするかもしれません。「言われた通りに作ったのに…」と「これじゃない」のお互い不幸な状況が生まれがち、です。
講演のなかで「対話の中でITは経営の力となる」と仰られていた言葉が、まさにその解の一つです。設計者(ITの専門家)と施主(ビジネスの責任者)が、密に対話を続けることが最も大切です。さらに言うと、対話に重要なのは現在の立ち位置ではなくて、お互いに相手のことをさらに知ろうとするベクトル(姿勢)です。ベクトルが向き合っていれば、言葉も宗教もあらゆる常識が異なっていても、いつかは理解しますが、平行、あるいは離れていては永遠にうまく行きません。
商談会では、この講演の後に、自社の紹介をさせて頂く時間がありました。弊社のプロトタイピングのサービスも、こういった齟齬を最初になるべく避けて、お互いに価値のある仕事をしたいという思いで企画したものです…と伝えたかったものなのですが、全然うまく伝えきれなかったような…(^^;